えと。
チェルビーノを見に行こうぜっていう話でしたね。
で、車走らせてるうちに、段々見えてきました。
チェルビーノさんが。
あ、わかった。わかった。
ってか薄々気付いてたけど、予想が的中した!
イタリア語でチェルビーノ=マッターホルンだね???
「ねぇ、あれマッターホルンだよね?」と聞くと、極端に英語ができないイタリア人は「へ?ミッテルトム?」とか言うんですけど。
(イタリア人はHを発音できないため、英語表記を見ても、正しく発音できないのです)
もー間違いない!
頂上が隠れてても、あれは紛れも無いマッターホルンだ!
ほえー。景色に見とれてしまいます。
SF映画が撮れそうな景色!!
麓の村についてもしばらくは呆然として、山を眺めていました。
とりあえず、なんの予約もしてないので観光案内所で本日の宿を探します。
ええと、日本からイタリアに来る人でホテルの予約をしてないって人は少ないとは思うけど、田舎に行けば行くほど観光案内所は役に立ちます。
「今夜空いてる部屋を知りたいんだけど」って言うと、ちゃんと空き室を調べてくれるし、だいたいの値段を言えば希望に合ったレベルのホテルを選ぶこともできます。
貧乏旅行の常として「一番安いホテルで」とリクエストすると、中心街に一件空きがあると言う。
観光案内所から電話して予約することもできると言われましたが、聞けば徒歩でもすぐの場所とのことなので、現地に直接行って部屋を見せてもらってから予約することにしました。
すべてが終わって荷物を置くと、ようやく一息着くことができます。
荷物を置いたら、途中で方向指示を見た青の湖というのにいってきました。
そう、前にもモンテロッソで青の湖の話をしましたが。
この辺りの鉱物やら何やらの関係で、このあたりの湖は、水が青く見えることが多いようです。
水が青ければ「青の湖」と名付けるというのは、まぁシンプルかつ率直なイタリア文化の基本でしょうか?
うん、すごく綺麗。
でも、麓の村からもすぐ目と鼻の先で、しかも主要な道路のすぐ脇にある湖なので、雰囲気はなかったです。
私が行った時はちょうどマッターホルンの頂上がしつこい雲に隠れていてダメでしたが、快晴なら山が湖に映って「逆さマッターホルン」が見られることでも人気もスポットみたい。
でもね~、モンテロッソでのトレッキングで、すごく静かで雰囲気のある青の湖を見たばかりだから…。
マッターホルンの麓にあるこの村は、チェルビニアといいます。
やっぱり、マッターホルンって人気なのね。
日本人の姿も結構見ました。
村は決して大きくないけれど、お店も色々とあって、楽しく可愛らしくて気に入りました。
前日のトレッキングで実はすこーし踵が靴ずれして痛かったんだけど、薬局で靴ずれ専用だという絆創膏を買ったら全然痛くなくなりました。
なんかねー、前日履いていた靴下と、トレッキングシューズの組み合わせが悪かったみたいで。
足りなくなっていた基礎化粧品なんかも、薬局で購入。
あ、そうそう!
この日、私は1つの奇跡を体験してました。
前日あんだけ山登りしたのに…私ってば全然筋肉痛になってなかったの!!
すごくない?すごいよね。
本格的な山登りなんて初めてだったし、第一、普段から座り仕事が多くて運動量もほぼゼロなのに!
すごいわー。まだまだイケるわー。
…あ、でも明日筋肉痛来たらショックかも(笑)
なんてことを思いながら、この日の夜のレストラン情報を地元に人々からリサーチ。
聞いたところによると、なかなか評判の良いレストランが一軒あるというので、そこで食べることにしました。
ウエイターのお兄ちゃんと、メニューについて一通り談義。
説明を受けながら食べたいモノの組み合わせについて話したら、「じゃぁ、メニューとはちょっと違うけど、希望に合うように組み合わせて持ってきてあげるよ」とのこと。
おぉっ!話がわかる!
これは期待できるぞー。
(イタリアでは、レストランとかBarとかで、結構こういう融通がききます。メニューに載ってないものも、材料があれば作ってもらえることもある。私の経験では、融通の効くお店はアタリが多い!)
で、まず前菜に持ってきてもらった地元のサラミとチーズの盛り合わせ。
手前の二種類は、さすがアルプスならでは、鹿肉なんだそうです。
カナダで食べたトナカイのサラミに似てるなーと思って聞いてみたら、案の定だった。
でもね、臭みはあんまりないの。
臭いというより、コクがある感じ。
大変おいしゅうございます!
続いて、ポレンタのヴァッレ・ダオスタ州風と、鹿肉の煮込みを一緒に持ってきてもらいました。
うっまーーーーーーーー!!
ポレンタというのは、とうもろこしの粉です。
総じて北の方でよく食べられる食材ですが、ここヴァッレ・ダオスタ州ではそこにトロトロにとろけたチーズを、これでもかっとたっっっっぷり。
色んなお店で食べましたが、この店のは表面はカリッとしていて、なかはホクホク、チーズがトロ~ンで、最高でした。
モカさんは正直にいってあまりポレンタを自ら進んで注文したりはしないのですが(嫌いってほどじゃないです。あれば食べます)、ヴァッレ・ダオスタ州に来てからは毎食これでもいいと思ったほどです。
そして、鹿肉をじっくり煮込んだメイン料理。
こちらも絶品!
地元の赤ワインにピッタリです。
素朴な味わいのポレンタに、濃厚な鹿肉という組み合わせがまたベストチョイスで。
はー、堪能しました。
このお店、地元の人にはピッツェリアとして親しまれてるそうで、ピザ職人さんが出てきて「次回は是非おれの自慢のピザも食ってくれよ!」と声をかけてくれました。
いい店だ。
レストランを出たら、空気がぴりっと冷えていて、マッターホルンから吹き下ろす風がびょうびょう言ってました。
すごいエネルギー。
なんていうのかな、吹いてるのは風なんだけど、ただの風っていうより山の神聖なエネルギーが村を走り抜けてる感じ。
いやぁビックリした。
見渡すと、アルプスの山々が黒く村の背後にそびえてる。
とっくに陽は落ちてるのに、山の存在感はんぱない!
こういうところにしばらく滞在とかしたら、空気も美味しいし山のエネルギー感じるし、新しく生まれ変われそうな気がするわー。
美味しい山の幸と山のエネルギーに元気をもらい、さぁ、明日はマッターホルンに登るぞ!
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