二つの心と一つの体。

一子相伝の技を受け継ぎ、いざイタリアへ。続きを読むをクリック。
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遂にこの日が来てしまいました。

明日、日本を出発してイタリアへと帰国します。

 

ちょっと意味深なタイトルを付けてしまったけれど、意味はそのままストレート。深い意味はありません。

 

日本とイタリア。

二つの国を行ったり来たりしながら、どちらの国も大切で、どちらの国のことも愛していて。

どちらの国にも大切な人がいる。

 

どちらかの国を離れてもう一方の国に行く時というのは、まさに心を二つに裂かれるような気持ちになるんです。

 

心は二つに裂けてしまうのに、どうして体は一つのままなんでしょうね?

忍者みたいに分身の術とか使えて、体も二つになれるんだったらいいのに。

 

 

今回の日本滞在では、本当に濃く長く、母と過ごしました。

また後日ブログでも紹介できるかもしれないけど、母から幾つものワザを教えてもらったり。

 

前から習ってみたかった味噌作りを母に習ったりもしました。

生まれて初めてセーターも編みました。

実はつい昨日完成したんだけど、やっぱり師匠(母)が付きっきりだったお陰で、初めてとは思えないできばえの可愛いセーターが編めました。

 

「このワザはね~、一子相伝よ!門外不出!」

なんて冗談を言いながら、母流の編み物を習った時間は、やはりかけがえのないものです。プライスレスw

 

いきなり大人用サイズを編むと永久に終わらない危険があったので(笑)、友人の子供にでもあげようかなと小学生くらいの子供サイズのセーターを編みました。

でも編み終わって気付いたんだけど、母と私の共作セーターは、たぶんこれが、最初で最後ですよね。

そう思ったらとても個人的な宝物に見えてきて、人にあげる気持ちになれなかったので、たぶんこれは自分に子供ができた時のために大切にとっておきます。

 

今回は滞在期間が長かったから、沢山の友人たちとも会うことができました。

中学時代の友人は妊婦になって幸せそうに脹らんだお腹を見せてくれたし、高校時代の友人たちはそれぞれに結婚したり仕事で成長していたりと逞しかったし、大学時代の友人たちは相変わらずモチベーションが高くて、こちらも良い刺激を受けました。

 

みんな、ありがとう。

 

この先、たぶんしばらくの間、日本に帰ることはできないと思います。

しかも三ヶ月という長期で家族とじっくり過ごすことができるなんて機会は、この先長い人生でも、そうそうないことかもしれません。

日本とイタリア、離れて暮らしていてももちろん電話やスカイプで連絡を取り合うことはできるし、何も今生の別れというわけではないけれど・・・心は、やっぱり二つに裂かれるような気分です。

 

イタリアは、かつて私の夢でした。

もがいてもがいて、何とかしがみついて、ようやく手に入れたイタリア生活。

そして少しずつ友達や大切な人達ができて、大切な生活の基盤も、できてきました。

 

イタリアに帰ることが、嬉しくないというわけではないんです。

イタリア生活の中でも、一つ一つ、小さいけど大事な幸せを積み上げて、ここまできました。

ただ、離れて暮らす時間が長ければ長いほど痛感するのは、日本も私にとっては大切な大切な一部だということ。

 

でもね、今になって思うのは、「心が二つに裂かれるような思いがすること」というのは、心が二分の一に別れてしまうということではないんだなぁって。

たぶん、二つの国を知り、それぞれの国で大切な人に出会った今、心は二倍、あるいはそれ以上に脹らんで、前よりもうんと大きくなったんだろうなって思うんです。

 

日本を愛しく思う気持ちも、今までと何も変わらない。

いや、今までよりももっともっと大きい。

家族を大切に思い、感謝する気持ちはどんどん大きくなる。

 

でも、イタリアを思う気持ちも、日に日に大きくなる。

異国人である私を受け入れてくれた人々の優しさに、感謝しない日はありません。

 

二カ所に同時に居られないのは残念なことだけれど、これはとても「有り難い」幸せなことなんだと思います。

幸せなつらさ、寂しさ、なのかな。

 

周りの人を泣かせたくないので笑顔で飛び立とうと思っているのだけれど、この調子じゃちょっと難しいかな?

さてさて、泣かずに出発ゲートをくぐれるかしら??

 

そんなわけで、次のブログはまた今まで通り、イタリアからの配信になります。

coccolobluの、のらくら~なイタリアブログ、これからもよろしくお付き合いください♪