まだ微かにバカンス呆けの続くフィレンツェですが、日常はどんどん続いていきます。
火曜日は市場の日です。
昼頃には市場が閉まり始めるので、朝のうちに出かけていってちょっとした食料品を仕入れます。
この日はとても良い香りのクチナシを見つけ、この香りが大好きなcoccolobluは我慢できずにゲットしてしまいました。
ちゃんと育てられるかな・・・。
私は植物が大好きなのですが、どうしても育てるのがへたくそなんです。
長期で家を空けることも多いので、数ヶ月ごとに何かは必ず枯れてしまい、植物が入れ替わります。
今のところは、切り花を買うよりは長く楽しめるから、と割り切るしかありません。
植木を買った後はそのお隣の蜂蜜屋のおじいさんのところに荷物を置かせてもらってぷらぷら散歩。
この蜂蜜屋のおじいさんは、最終的にcoccolobluがイタリアに引っ越すきっかけを作った人でもあり、今でも仲良くしています。
荷物置かせてもらったりもしますが、おじいさんがトイレに行く間の店番を頼まれたりもする。
田舎で養蜂をしてるんですが、家に遊びに来いと毎度誘ってくれます。
で、また蜂蜜屋に帰ってきてみたら・・・偶然、友人カップルとばったり。
映画監督をしている友人アツィーニとその彼女ビビアーナが市場に買い物に来ていて、久しぶりに会ったので話が弾みました。
夏の間何してた?とか、共通の友人の話などをして、気付けば30分ほども立ち話。
お互いにお世話になっている彫刻家のマエストロの話になり、「元気かな?今から電話しちゃおっか」とその場ですぐに電話。
「なんだお前ら!ちっとも連絡よこさないじゃないか!すぐに会いにこい!!」とマエストロから厳しくも温かいお叱りを受け、それでは来週の月曜に会いに行きます、ということに。
夏の間一度も会わなかった友人と、偶然出会って、次の約束をして。
携帯電話とかフェイスブックとかそういうものがなくたって、なんとなく、こうしてゆるく繋がっていくフィレンツェの日常。
この蜂蜜屋さんのような、ほんの束の間人が立ち止まり、話をしたり誰かと出会ったりする場所のことを、イタリア語では「punto incontro」と言います。
英語ではミーティング・ポイントでしょうか。
昔は今よりもずっとこの「出会いの場所」が沢山あって、ちょっとBarに出かけてコーヒーを飲んだり、パンを買いに行ったりする間に人との出会いとお喋りがあったそうです。
最近では、punto incontroを見つけるのは少し、難しくなりました。
インターネットや様々なネットワークの発達で出会いの形は様々になったけれど、こういう偶然の出会いや、人と人とを自然につなげていく「punto incontro」は、消えて欲しくないなぁと思います。
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