チンクエテッレ、「愛の道」

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「愛の道」とは、チンクエテッレの東側に位置する二つの村、リオマッジョーレとマナローラとを結ぶ道です。

とってもキレイに整備された道なので、特別な装備がなくても楽に歩けるハイキングコース。

昼間は有料で、電車や美術館などにも入れる「チンクエテッレカード」を買うと入ることができます。

(夜はチケットのチェックする人がいないんですよw 門は開けっ放しらしいので、夜は実質無料です。)

 

愛の道
愛の道

30分くらい歩くと、お隣の村に到着します。

 

ここはぜひ、恋人や大切な人と訪れることをオススメします。

恋人たちが愛を誓ってつけた南京錠があちこちにはめられていて、途中のベンチでは仲良く写真を撮るカップルが沢山います。

 

海沿いに作られた遊歩道ですから、景色は最高!

途中にBarなんかもあって、休憩することもできます。

ただ、歩いてる最中は日差しを遮る物がない場所も多いから、帽子は必要かも。

 

愛の道のベンチ
愛の道のベンチ
愛を語らう場所?
愛を語らう場所?

すいません、↑この一枚だけは愛の道の写真じゃなく、マナローラのベンチです。

雰囲気が似てたから載せてみた。

 

なぜ愛の道(via dell'amore)という名前になったのか・・・由来はいまいちハッキリしません。

一説によると地元の恋人たちの散歩道だったから、とか。

 

道の途中には「愛」をテーマに、著名作品に出てくる登場人物たちの名を刻んだパネルがはめ込まれています。

あなたは幾つの名前を知っているかな??

coccolobluは・・・ナイショですw

 

 

余談。

観光地、しかも「愛の道」ですから、恋人たちによる名前の落書きが後を絶ちません。

coccolobluは正直、落書き、好きじゃありません。

チンクエテッレのこの美しい自然は世界遺産にも登録された、保護しなきゃいけないものです。

でも壁にも、ベンチにも、そして自生する多肉植物の葉にもぎっしりと、ナイフを使って葉を削って刻まれた名前があります。

 

落書きと言えば、数年前フィレンツェの大聖堂に落書きをした教員の話が話題になりましたね。

解雇されたんだったかな、確か。

イタリアでも話題になり、「日本人は厳しすぎる!」「プライベートの旅行でやったことくらい見逃せばいいのに」もっと言うと「落書きの何が悪いわけ?」なんていう意見をよく聞きます。

 

確かに、あんなに大きなニュースにしちゃうのは、可哀想だったかもしれない。

でもね、チンクエテッレの愛の道に、日本人の落書きは一つもなかった。

どうも愛の道の壁は頻繁に塗り替えられている様子だったから、少なくとも最近この場所を訪れた日本人の中には、落書きをした人はいなかったわけです。

 

あのニュースが、ひょっとして「落書きしたい」と思う誰かの心にストップをかけたのだとしたら。

自生植物を傷つける前に、「この自然は世界遺産なんだ」と気付くきっかけになったのだとしたら。

残念だけれど、あのニュースも意味があることだったのかもしれない、と思わずにいられません。

もちろん日本人だけが自制しても世界中の観光客が落書きするわけですから、焼け石に水ではありますが。

 

「貴重な遺産に落書きをするのは、恥ずかしいことだ」という意識を、この時代にまだちゃんと持っている日本人。

旅先の土地を敬い、尊敬する気持ちが日本人の中に生きているのだとしたら。

それは世界に誇れることだと思うのです。

そして、それを誇れる自分でいたいと思うのです。

 

愛の道に日本人の名前を見つけなくて、私はとても嬉しかった。

そこに「無い」物を誇らしく思うなんて、ちょっと不思議なことだけれど。

 

愛の道を歩いてみると、チンクエテッレの地形がよくわかります。

入り組んだ海岸線。青い海。切り立った崖・・・。

壮大で、厳しい自然。でもとっても、美しい景色。

この自然と共に生きてきたチンクエテッレの人々。

枯れた岩だらけの土地、急斜面ばかりの過酷な土地に、諦めず家を建て、ブドウを植えた人間の強さ。

チンクエテッレを訪れ、観光して、直に自分の目で見ているというのに、こんな素晴らしい物に尊敬の気持ちを持てないのは寂しいことではないでしょうか。

 

これからも日本人の名前や日本語がそこに「無い」ことを誇りにしたいと思います。

そして、チンクエテッレ以外の場所からも、一つでも多くの落書きが減ることを祈ります。