すっかりのんびり更新になっております。
ご無沙汰してます、coccolobluです(笑)
さて、フュッセンに宿をとって私が出かけた場所は、有名なお城ノイシュヴァンシュタイン城です。
麓から城まで馬車があると聞いていたのでとってもとっても楽しみにしていたんですが、時間が合わなくて結局全部歩きました(涙)
乗りたかったよぉ、馬車。くすん。
このお城はフランスのモンサンミシェルに次いで、日本でもポスターやらジグソーパズルやら、様々な場所で目にするので、一度は生で見てみたいなぁと思っていました。
ノイシュヴァンシュタイン城、バイエルン王ルートヴィヒ二世によって、19世紀に建造されたお城で、ディズニーランドのシンデレラ城などのモデルにもなっています。
そう、つまり私たちが「お姫様の住むお城」という言葉を聞いた時真っ先に思い描くのは、この城だと言っても過言ではありません。
ルートヴィヒ二世にとっても、これは、「夢のお城」を具現化したものなのです。
ちなみに、ノイシュヴァンシュタインの近くにあるこちらのお城は、ホーエンシュヴァンガウ城と言って、ルートヴィヒ二世が幼少期を過ごしたお城です。
彼の父が息子のために改築したんですが・・・これを見れば、ルートヴィヒ二世の乙女チック心は、父から受け継がれたものであることがわかります(汗)
彼はここで過ごすうちに、中世騎士道や物語に強く惹かれていきます。
現実よりも、空想を。
せちがらい政治に支配される現代(19世紀)よりも、物語の中にあるような中世を。
彼は段々と自分の世界に引きこもるようになり・・・つまり、現代で言うところのオタクになっていくわけです。
そして王位を継承した彼は、自分の理想の城を作ることを決意します。
もしもオタクが王様で、沢山お金を持っていたらどうなるか・・・そう、こだわり抜いてとんでもない物を作ってしまうのです。
それが、例のノイシュヴァンシュタイン城。
外装もさることながら、中もすごい。
オーディオガイドを借りてツアーに参加したんですが(日本語アリ!!)、中にはルートヴィヒ二世のオタク心と、ハイテク機材への飽くなき探求がぎっしり詰まっています。
残念ながら写真撮影は禁止だったので、詳しいことは他のネットや書物などでご覧くださいませ~(逃亡)
ちなみに、ルートヴィヒ二世は若かりし頃とってもハンサムで、長身の、まさしく絵に描いたような「王子様」。
(彼の伝記を買って写真も拝見しましたが、本当にハンサム!)
しかし不幸なことに、おとぎ話のように理想のお姫様を見つけることは叶いませんでした。
どうも彼の中の理想が先行しすぎて、現実の女性で満足することができなかったようです。
こういう場合にありがちなように彼も美青年に僅かな恋心を抱いてみたり、女性を嫌悪してみたり・・・。
彼が心を許した女性はただ一人、オーストリア皇后エリーザベトのみ。
窮屈な現実から逃げ出したいと願う二人は意気投合し、エリーザベトは自分の妹を推薦。
なんとか婚約までこぎ着け、結婚の日取りまで決まったのですが、ルートヴィヒ二世、結局逃げ出してしまいます。
この婚約破棄の後、生涯、彼は孤独な人生を歩むことになります。
上の写真はノイシュヴァンシュタインからホーエンシュヴァンガウ城を見下ろしたもの。
彼は自分の理想の城の一郭から、幼少期を過ごした父の城を見下ろすことを望みました。
一体どんな気持ちで、父の城を眺めていたんでしょうね。
彼は他にも沢山のゴテゴテ建造物を造っていますし、語り出すとキリがないので、ここではサラッと触れるだけにしておきますが、理想を追い求め孤独に苦しんだ、人一倍繊細なオタク王だったことだけは確かな模様。
彼の最期は政敵に追い詰められ、「狂人のため政治能力なし」と判断されて幽閉され、精神科医と湖を散歩中に亡くなるという悲惨なものでした。
他殺か、事故か、自殺か。
散歩に同行していた精神科医も同時に水死体となったことを考えれば、私は他殺だろうと思いますが、真相は謎のままです。
ツアーを終えて、お土産ショップを越えた所に、カフェが併設されています。
お城の中で飲む、一杯のカプチーノと甘いリンゴケーキ。
まさしくそれは、王様の味、王様のカフェタイム。
一人お姫様気分に浸りながら、悲劇の狂王ルートヴィヒ二世の生涯に思いを馳せます。
彼は城から、自分の領土を眺めるのが好きだったとか。
豊かなバイエルンの風景を見ながら、極上カフェタイムを味わいました。
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tomaka (Sunday, 12 September 2010 13:04)
ほんとにヨーロッパのお城って感じですね!
お城の中も見たかったぁ・・・残念!
撮影禁止かぁ。
coccoloblu (Sunday, 12 September 2010 16:04)
tomakaさん、
中は彼のオタク精神の結晶とも言うべき傑作でした。
正直こんなにすごいとは思わなかった・・・とびっくりしたほど。
なんと城内に、人工洞窟の部屋なんていうのまでこしらえてしまったんですよ!
ワーグナーのパトロンであり、心酔者であり、ワーグナーオタクであった彼は、内装もオペラから着想を得たものが多くあります。
是非一度、ご覧になってみてくださいな~。