プロヴァンス旅行の話題の途中ですが、久しぶりにフィレンツェの話題を一つ。
coccolobluは木曜の夜、時間がある時には「centro diffusione Shiatsu」という指圧の講座に顔を出すことにしています。
指圧というと私たちの間ではごく身近で一般的なものですが、イタリア人にとってはまだまだ未知の世界。
この講座では三年かけて指圧の基礎、中国医学を学び、三年後の最終試験に合格すると指圧師として仕事をしても良いことになっています。
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マッサージについては過去に一通り習得した経験のあるcoccoloblu。
テクニックについては問題ないんですが、中国医学となるとチンプンカンプン。
何しろ覚えることが多くて難しいので、正式な生徒になって習おうというつもりはないんですが、誘われるまま何度か顔を出すうちにすっかり常連になってしまいました(笑)
生徒は老若男女問わず、みんな仲が良くて和気あいあいとしています。
ここに通うようになって既に三年ほど経ちますが、未だ生徒でもなく、ましてや講師でもなく、月謝を払ったこともないcoccoloblu。
自分がどういう立場なのかよくわからないまま、いつか皆にお礼がしたいなと思っていました。
そんな時、私たちのマエストロであるブルーノ氏から「一度、日本についての文化講義をやってくれないか」という提案が。
二つ返事で引き受けて、先日プチ日本文化講座を開催しました。
私が選んだテーマは、「いただきます、の語源と意味について」。
イタリア語で「いただきます」に当たるものは、「Buon Appetito」と言い、直訳すると良い食欲という意味です。
つまり、「良い食欲で(美味しく)召し上がれ」というニュアンスで、日本語の「いただきます」とはかなり意味合いが違うんです。
「いただきます」、という言葉には料理を作った人、素材を育てた人、肉、魚、野菜、それぞれの食品、自然、ありとあらゆる物に対する感謝と尊敬の念が込められています。
私はこの言葉が、いかにも尊敬と謙譲の意識を持つ日本人らしい、美しい言葉だと思うんです。
話だけだとつまらないので、→こんな漢字カードも用意していきました。
それぞれのカードに一文字ずつ漢字が書いてあって、裏にはイタリア語訳がついています。
アルファベット文化に生きる人々にとって、漢字は神秘的な文字。
これをバラバラに床に並べて、
「一人一枚、好きなカードを選んでね。きっと今の自分に必要なメッセージになってるから。」
と、占い風の趣向にしてみました。
予想通り、これが大うけ。
面白いことに、咳が止まらなくて困っていた女の子は「健」という字を選んだし、仕事のしすぎで疲れている人は「休」を選んだり。
不思議とメッセージになってるんですよね。
やっぱり漢字って神秘の文字だなぁと改めて感じた瞬間でした。
講座の後は、恒例のお菓子タイム。
私も抹茶クッキーを作って差し入れました。
翌日、「すごくいい話だった!イタリア語にも尊敬の言葉があったらいいのに」とメールをもらいました。
海外に暮らしていても、自分の国の文化を誇らしく思えるって、大事なことです。
日本人に生まれて良かったと思えた、素敵な一日でした。
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Mark (日曜日, 22 7月 2012 13:51)
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