モンサンミッシェルの周囲は、海、というか、潮が引いている間は干潟みたいになります。
満潮時にも今は昔のように、馬の早駆けより早く海が押し寄せてくるってことはないみたいです。
干潟を上から見てると本当に気持ちよさそうなので、この日は朝ホテルを出発して、一日干潟散歩をすることにしました。
カフェテリアで仕入れたお弁当を担いで、靴を脱いで、いざ、泥の中へ。
すごいすごい!
泥って気持ちいい!
かつてはここが神聖なるシシィの森だったことを思いながら、キャーキャー騒いで歩いていきます。
干潟を歩いていくと、モンサンミッシェルの表からは見ることのできない、小さな教会にたどり着きます。
これは、モンサンミッシェルよりも古い、最初の奇跡の場所。
せっかくなので、この場所の伝説を紹介しましょう。
夢で聖ミカエルのお告げを受けたオベール司教は、この地に聖堂を築く決心をします。
当時ここは、聖トンブと呼ばれる岩山で、頂上には古代の巨石遺物がどっしりのっかっていて、それをどかさないと建造は無理だということがわかりました。
でも岩があんまり巨大で、重たくて、農夫たちがどんなに頑張っても動かない。
その頃バンという名前の農夫がいて、彼のもとに天使がやってきて、息子を連れて聖トンブに行き、岩を取り除くよう命じます。
バンの息子たちは天使のお告げの通り巨大岩を取り除く作業をしますが、やっぱりびくともしない。
そこに霊感を受けたオベール司教がやってきて、「お前には他に子供がいるか?」とバンに尋ねます。
バンには12人の子供がいましたが、一番下の息子はまだ赤ちゃんだったので、その子だけ連れてきてなかったんです。
オベールの指示で末息子が連れて来られ、抱っこされた赤ちゃんと11人の子どもたちが岩を触ると、それまで誰がどうやってもびくともしなかった大岩が、コロンと、山の麓まで転がり落ちました。
めでたしめでたし。
この大岩の上に建てた礼拝堂が、これです。
後にこれはオーベールに捧げられました。
オーベールがいつもここに座って、さてこれからどうしたもんかな…と思案にふけっていたとか。
というわけで、この礼拝堂はモンサンミッシェルの前身、まさに始まりの場所とも言える大切な聖地なのです。
完全に忘れ去られた感じになっちゃってますがねw
干潟を歩いていくと、満潮時にここに運ばれてきて、そのまま取り残されちゃったらしきクラゲが、うようよいますw
こ、こえ〜。
ちなみにイタリア語でクラゲはメドゥーサ。
そう、あの髪の毛が蛇の、です。
ますますこえ〜。
足元を見て歩けば踏んじゃうこともないけど、小さなお子さんを連れて来られる場合は、ご注意を。
プルプルしてて、触りたくなっちゃうもんね。
水位が高いとこを渡る人々。
森まで行こうと思ってたんだけど、思ったより遠かったのと、途中から水位が高くて結構濡れるので、適当なとこで引き返しました。
水の中をバシャバシャ行くのも、楽しかったですよ。
干潟散歩をする時は、くれぐれも汚れてもいい格好でね。
干潟散策の後はモンサンミッシェル島内のカフェで、休憩。
名物の塩キャラメルのクレープで糖分補給です。
むしゃむしゃ。
お土産物屋さんを見ながらプラプラして、ホテルに帰りました。
前日の食あたりでコリてたので、この日の夕飯は初日のように、スーパーで買ったものを部屋で。
写真では何を手に持ってるかよくわからんけど(笑)、これは超巨大トマトなんです。
私たちは家からクーラーバッグを持ってきていて、家にあった食品や、旅の途中の食品店で見つけた美味しそうなものを、ここにポイポイ入れて旅をしてました。
ちょうどね、旅の出発直前に田舎から美味しいトマトとバジルが沢山届いてね、置いて来られなかったのw
でも、これが本当に重宝しました。
私たちみたいな行き当たりばったりな車の旅をしてると、キャンプスポットや雰囲気のいい公園を見つけてそこでランチにすることもよくあります。
山に行けば美味しいヨーグルトやチーズを買い、フランスではワインを仕入れ、何を買ってもクーラーバッグにポイポイ。
お陰で気に入ったレストランが見つからなくても、いつでもどこでも美味しい食事にありつけました。
この日の夕飯は田舎のトマトいっぱいのサラダ、クスクス、パテ、缶詰のオイルサーディン(トマト煮)、羊のチーズ、ランプフィッシュの卵。
それに美味しいフランスパンに、ワイン。
はぁ、格安で満腹です^^
コメントをお書きください