日本滞在の喜びに浸りきっているcoccolobluです。
そろそろイタリアが恋しいと思ったり、いや、そうでもないと思ってみたりww
でも常々感じることは、こうして二つの国の良い部分を自分で選んで吸収することができるというのは、とても有り難く幸せなことだなーってこと。
イタリアにも日本にも良い所もあれば悪い所もあるけれど、大事なのは自分で良い所を選んで、それを積極的に自分の生活に取り入れて行こうとすることだなって。
悪い部分に目を向けるのは簡単だけど、それをすると自分も楽しくないし、せっかく日本に居るのにイタリアの良いところばかり気に掛かったり、イタリアに居ながら日本が恋しすぎたりして、結局つらくなっちゃうから。
それにね、イタリア生活の苦境が、日本のアイディアで解決することもある。
異国で暮らすというのは決して楽なことではないけれど、二つの国、二つの文化を知っているということは、考え方次第では大きな強みにもなる幸せなことなんだなって、最近は思えるようになりました。
さて、前置きが長くなりましたが、日本滞在、楽しんでます。はい。
前も言ったように今回の滞在は母と過ごす、というのが大きな目的の一つなので、またしても母とバス旅行に行ってきました。
今度は京都府、天橋立に向かうツアーです。
天橋立って聞いたら、何が真っ先に思い浮かびますかね。
私の場合は有名な百人一首の、
「大江山 いくのの道の遠ければ まだふみもみず 天の橋立」 ですね。
子供の頃から非凡な才能を持っていて歌詠みの名手だった小式部内侍。
でもあんまり歌が上手いから、周りの人からはお母さん(才女で有名な和泉式部)が作ってるんだと疑われてました。
で、ある時、母が天橋立がある丹後の国に行っていて不在の間に、歌会が催されることになりまして。
藤原定頼がいじわるで小式部に「お母さんが不在では困りましたねぇ。もうお母さんに手紙は出したんですか?歌作ってくれる人がいないと、お嬢ちゃんは困っちゃうよねw」とからかったわけです。
カチンときた小式部は、即興でこの「まだふみもみず 天橋立」という歌を詠みます。
母が居る丹後の国はあまりに遠いので、まだ自分は天橋立を見たこともないし、手紙のやり取りだってしてませんわよ、アンタって失礼ねっっっとww
実に上手くできた、非の打ち所の無い歌です。
藤原定頼はこれを聞いて、「うっひゃーコイツは本当に自分で歌を作ってたのか!」と尻尾を巻いて逃げ出した・・・というのが、百人一首での有名なお話。
パワハラに才能と知恵と機転で打ち勝った、元祖かっこいい女の子です。
かなーり若い頃から自分よりずっと年上の人々と仕事することが多かったcoccolobluにとっては、憧れの女の子でもあります。
さて、そんな天橋立ですが、coccolobluはもう見てしまったので「まだふみもみず」とは言えなくなりました。
いやー、良かったですよ!
想像よりずっとすごかったし面白かった!
ついでだから天橋立についても書いておくと、天橋立は日本三景に数えられる京都府の観光名所です。
京都府と言っても、京都市からはかなり離れてます。日本海側です。
伝説については諸説ありますが、その辺は興味ある方は専門のサイトなどを見てもらうとして、ものすごーく簡単に言ってしまうと、昔は天に住む神様が地上と天とを行き来するための橋だったのです。
橋は空に向かって伸びていたんですね。
でも、その橋がある時地上に落ちてきてしまいます。(落ちてきた理由についても諸説あるようです)
で、今は地上の橋となったわけ。
展望台から見ると、圧巻の景色!
本当に橋のように、陸と陸を繋いでるんですねー。
これは一見の価値がある景色です。
ココまで読んで、「あれ、今回は食べ物の話はないの?」と思ったアナタ、えぇ、そろそろcoccolobluのことをわかってきてますねw
そうです、この私が、景色だけ見に京都まで行くわけはなかったのです。
このバスツアーのメインイベントは、実はこちら。
まずどーんと出てきたのは、ふぐ刺しです。
ポン酢で食べると、シコシコで、う、うまい!
写真は一人前の量ですw
そしてメインの一つがこちら、かに!カニ!蟹ですよ~!!
イタリアには日本のようなタラバガニとかズワイガニとかはありません。
せいぜい小さな、まるで上海ガニみたいなやつを、スープやパスタにする程度です。
身を食べられるほどはないの。
あー、食べたかった、かに!!何年ぶりだろう?
というわけで、今回のバスツアーのメインは、このカニの食べ放題だったのです(笑)
期待通りの展開で、ほんとすいません。
このボイルカニの他にも、カニ鍋もあったし、焼きガニもあったし、大満足でした。
カニは食べ放題ですので、もちろんおかわりもしましたよ。
coccolobluの胃袋をなめてはいけません。
そういえば、普段はイタリアに暮らしてるので自分が大食らいだと感じることはありませんでしたが、日本に帰ってきて実感しました。
どうも私の胃袋は、日本サイズよりはかなり大きいらしい・・・。
もう一つのメインはこちら、アワビの躍り食い、食べ放題。
こちらもおかわり自由なのです。
でっかいアワビが、次々運ばれてくる・・・。すごい、歯ごたえがあって熱々で美味しい!
外国人には「オーマイガー!日本人残酷ネ!私コンナモノ食べられないネ!」と悲鳴を上げられそうな、このアワビの躍り食い。
へっへっへ、日本人だから食べちゃいますよ、こんなのもw
しっかしアワビって大きいんですねぇ。
一つ食べると結構ずっしりきて、3つくらいおかわりしたらお腹にズドーンと響きました。
カニが食べられなくなると残念だから、あんまりおかわりしなかった。
後日、イタリア人とスカイプで話をしていて、「今度はカニとアワビの食べ放題に言ってきた♪」と言ったら、「牡蠣であんな目に遭ったのにまだ懲りないのか・・・」と笑われましたが。
食に関しては一度や二度の失敗ではへこたれない、丈夫な胃袋を持ったcoccolobluです☆
大満足でお腹がはち切れそうになるまで食べた後でも、ちゃんとお土産にお菓子も買って帰りました。
こちら、名物の「智恵の餅」です。
お餅の上にあんこがのってるシンプルなお菓子。
食べてみて思ったんだけど、これってすごく素朴だけど、伊勢名物の「赤福」にそっくり!
先日バスツアーで訪れた伊勢神宮と何か関係があるのかしら?
・・・と思ったら、なんとびっくり、現在伊勢神宮には天照大神が祀られていますが、そもそも天照大神のご神体(たしか鏡だったと思う)は、ここ、丹後の国にあったんだとか。
丹後の国から、盛大な行列を組んで「お引っ越し」なさったんだそうです。
だとしたら、天照大神のご神体と一緒に、土地の名物菓子が伊勢に伝わったというのも、ありそうです。
お味も、見た目も、伊勢名物「赤福」の方が洗練されて垢抜けた感じ。
この「智恵の餅」は、あんこの味や形が、とっても素朴でいかにも「元祖」という感じなんですよね。
お伊勢さんはその後の発展から見ても、とってもハイカラで垢抜けた土地だったようですから、「智恵の餅」が改良されて「赤福」になった説、意外と濃厚なんでない?
思いがけず、伊勢神宮と天橋立(丹後の国)と、天照大神を辿る旅を二つしたことになるなぁ、なんて。得した気分♪
赤福も智恵の餅も、両方食べられたし(笑)
母娘で山ほどのカニとアワビを食べ、ふぐ刺しに舌鼓して、のんびり天橋立を眺めた、良い思い出になるいい旅でした。
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