夏の思い出パート2w
北トスカーナ州、とある田舎の村。
縁があってほぼ毎年夏になるとその近くに行く機会があるんですが、その小さな田舎の村で、毎年とってもハイクオリティなお祭りが行われます。
イタリアの田舎では中世の祭りというのは結構どこにでもあるんですが、この村はクオリティが違う。
もともと村全体が中世の趣を残した古い建物ばかりなんですが、祭りの期間中は住民たちがみんな中世の衣装を身にまといます。
村の規模が小さいわりに仮装している人が多いから、タイムトリップしたような気分を思う存分味わえるんです。
この村のお祭りでは毎年、完全予約制で「中世の晩餐」を用意しているんですが、残念ながらcoccolobluはまだ一度も行ったことがありません。
美しい中庭に、まるで中世の王侯貴族のような立派な晩餐が用意されいて、ショーなんかも行われると聞いています。
食器も全部、中世の頃使っていたような物ばかりなんですよ。
貴族の晩餐に入れないcoccolobluは、シンプルに、村のレストランが用意するお祭り用の屋台に行きます。
でも、ここも十分に美味しいものが食べられるんです。
どのテーブルも相席が当たり前だからお客さん同士の交流もあるし、地元の郷土料理やパニーノなどの簡単なものを食べることができる。
しかも驚いたことに、ここではプラスチックの食器を使いません!
リサイクルができる木のスプーンや陶器のコップを使っていて、よくあるプラスチックが雰囲気を台無しにすることがないんです。
おまけに、店員さんはもちろん、コックもみんな中世の衣装。
混み合ってはいるけど、とっても楽しい夕食になりました。
本当に小さな小さな村ですが、所狭しと沢山の屋台が並びます。
屋台のクオリティの高さも、他の都市の祭りとは大きく違う!!
職人さんが一つ一つ手で作った手工芸品ばかりが並んでいて、どこにでもありそうな中国製品なんか一つもありません。
中世の皮職人さんが、目の前で道化師の革靴を作っているお店・・・
天然自然の成分だけを使った石けんやボディオイルを売るものすごくいい香りのお店・・・
数々の手作りアクセサリーとその職人たち・・・
本格的革製品の十字軍グッツの屋台・・・
・・・などなど、見ていると全部欲しくなってしまうような物ばかり!!
coccolobluはまず、村に入ってすぐに村の女性たちがみな頭につけているワラで出来た花飾りを買って頭に装着。
私は仮装はしていないけど、これだけでもう、彼女たちの一員になった気分を味わえます。
みんな考えることは一緒で、見学者たちも多くの女性がこの花飾りを身につけていて、村の雰囲気アップに一役買っていました。
まるで、ディズニーランドでミッキーの帽子を買う時みたいですね!
それから、ルーン文字の屋台に釘付けになってしまい。
とっても物腰が静かで落ち着いた白髪の美しい魔女さんに、一つ一つの製品を丁寧に説明してもらった後、ルーン文字で占いができるという手作りキットを買いました。
ルーン文字が何かわからないという人はwikipediaなどを見てくださいね。
自分でガラスの玉にルーン文字を書いて、月が満ちていく期間にお香を焚くと、占い準備オッケーな状態になるんだとか。
その結果は・・・
私からの質問「免許、無事に取れるでしょうか?」
ルーン文字からの回答「取れるだろうけど、人間関係がつまずく要因になるかも」
・・・う、当たりすぎて怖い。
占い繋がりになっちゃいますけど、占いの屋台も雰囲気満点ですごかった!
私は体験したことはないんですが、ちゃんと魔法使いの衣装を着た人が、薄暗がりや村のちょっとした片隅でひっそりと屋台を開いてるんですよ。
あの雰囲気を味わうためだけでも、体験してみる価値ありかも。
この村のお祭りがスゴイ!という要素、まだまだあります。
村の広場ではしょっちゅうショーが行われます。
上の写真は騎士たちの決闘シーン。
中世の裁判を真似て、ある夫人の名誉を傷つけた罪に問われた男の有罪無罪を、それぞれの代理人である騎士の決闘によって決めるという寸劇の一幕です。
(しかし、これで訴えられた側の騎士が負けたら、無罪放免になっちゃうのかしらん?)
トップの炎の写真とこの上の写真は、道化師三人組によるアクロバットショーの時のものです。
これも人気だったなー。
コミカルな三人組道化師たちが、観客を大いに笑わせて盛り上げていました。
中でも一人身軽な人がいて、かなりの高さがある建物の二階部分にあるバルコニーにまでよじ登っていったりして、広場を大きく使った大胆なショーです。
笑いだけじゃなく、炎のアクロバットはかなりの見応えがありました。
地域や村のお祭りの出し物と言えば、地元のバンドがちょっとライブをする程度なのが普通です。
ところが、この村のショーは本当にすごい。
ヨーロッパ全土で活躍しているようなアーティストたちを招いて、本格的なスペクタクルショーを毎晩行っているんです。
いよいよやってきた、本日ラストのショー。
怪しげな雰囲気満点で現れた、巨大な仮面を付けた人形たち・・・。
去年も思ったんだけど、ちょっと子供には怖くないかな?と思うような演出もあるんですが、イタリアの子供たちはびくともしない(笑)
大人だから余計、怖く感じるようなものもあるのかな。
奥の奥を見てしまう、というような。
逆に言うと、大人でも奥の奥まで感じられてゾクゾクするショーというのは、本当に面白いショーなんだなと思います。
とりあえず、アート好きな人ならこの村のショーは楽しめること間違いありません。
相当、ハイクオリティです!!
ごくごく普通の村の広場でこれだけ大きなショーを繰り広げているんですから、本当にすぐ間近で、炎の熱さが感じられるくらいの距離で見ることができます。
祭りの期間中は毎晩、このショーが行われるんです。
大歓声と共にショーが終わるのはいつも、深夜12時頃。
夜更かしして遊ぶことができる、あぁ、夏って楽しいなぁと思える瞬間です。
すごいすごいばかり言っていて、そのすごさが伝え切れてないのが残念ですが・・・。
とにかく、本っ当に楽しい、面白い、雰囲気がある、私が知る限りイタリアで最高の中世のお祭りです。
規模は小さいけれど、それを補ってあまりあるクオリティです。
来年の夏、北トスカーナの田舎のアグリやB&Bに泊まってこの村のお祭りを体験するツアーとかやったら、誰か来たい人いないですかね?
来年なら私が車の運転できるからなー。
もちろんアグリからお祭りまでの送迎とか通訳付きで。一組様限定とかかな。
あ、チンクエテッレも近いし。北トスカーナの田舎の魅力満載ツアーにできるんだけどなー。
どなたか興味ある人あったら言ってください。
このあたりを旅する日本人はまずいませんが、是非、体験してもらいたいお祭りです。
今年も大いに盛り上がった村祭り。
来年も楽しみです。
コメントをお書きください
三宅 正昭 (日曜日, 08 7月 2012 14:55)
初めまして。僕はいまエンポリの近くに住んでいます。
2011年9月24日のブログを拝見したのですが、
このフェスタは8月にあるのですか?
月曜も開催していますか?
質問ばかりですみません。
すごくおもしろそうなフェスタなので行ってみたいです!
佐藤モカ (月曜日, 09 7月 2012)
三宅さま
コメントありがとうございます。
メールでのお問い合わせもいただいていたようなので、明日中に、今年のお祭りの日程など調べてお返事書かせていただきますね!
もう少々お待ちくださいませ。
比嘉沙樹 (水曜日, 05 7月 2017 18:38)
はじめまして!
イタリアが好きで、ひとり旅でこの夏(出来るだけ早く…)イタリアへ行こうと計画中です。
特に中世の雰囲気に思いっきり浸れる場所やイベントなどを中心に行くところを決めたいと考えています。出来ればフィレンツェを拠点にしてあちこちまわりたいと思っています。
そんな時に、「イタリア中世のお祭り」で色々お祭りを探していたところコチラのブログを発見したのですが、2011年…とのことなのでダメ元で連絡した次第です。
もしまだそちらに在住でしたら、そのお祭りの日程やおっしゃられているようなツアーをお願いしたいと強く願っているのですがいかがでしょうか?(*ノノ)